遺族年金の受給条件と支給額などの仕組みを完全ガイド!知らないと損する手続き方法

 

遺族年金とは、家計を支えていた方が亡くなった際に、その遺族が生活を維持するために支給される公的年金制度です。遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金などがあり、それぞれ支給要件や対象者が異なります。遺族年金は、遺族の生活を支える重要な制度であり、その内容を正確に理解しておくことが大切です。


遺族基礎年金

対象者

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた方が亡くなった場合に支給されます。主な受給対象者は、亡くなった方の子どもと、その子どもを養育する配偶者です。子どもは以下の条件を満たす必要があります。

  • 18歳到達年度の末日までの子ども(障害等級1級または2級の場合は20歳未満)

支給額

2024年度の遺族基礎年金の支給額は、以下の通りです。

  • 基本額:年額81万6,000円
  • 子どもの加算額:第1子、第2子は各年額23万4,800円、第3子以降は各年額7万8,300円

例えば、18歳未満の子どもが2人いる場合、配偶者が受け取る年金額は81万6,000円 + 23万4,800円 + 23万4,800円で、年間128万5,600円となります。

受給条件

遺族基礎年金を受け取るには、亡くなった方が次の条件を満たしている必要があります。

  • 国民年金の保険料を死亡日の属する月の前日までに、納付済期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上であること
  • もしくは、死亡日の前々月までの1年間に未納期間がないこと

これらの条件を満たさない場合、遺族基礎年金は支給されません。


遺族厚生年金

対象者

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に支給されます。主な対象者は、配偶者、子ども、父母、孫、祖父母などで、配偶者と子どもが優先されます。

配偶者が受給する場合、原則として妻が受け取ることが多いですが、夫が受給することも可能です。ただし、夫が受給する場合は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 妻が亡くなった時点で55歳以上であること
  • 60歳になるまで年金は支給停止されること

支給額

遺族厚生年金の支給額は、亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3に相当する額です。具体的な金額は、亡くなった方の生前の給与や加入期間によって異なります。

受給条件

遺族厚生年金を受け取るには、次の条件を満たす必要があります。

  • 亡くなった方が厚生年金の被保険者であったこと
  • 老齢厚生年金を受給中、または受給資格を満たしている状態で亡くなったこと

遺族厚生年金は、配偶者が65歳になると老齢基礎年金と併給される場合がありますが、その場合でも調整が行われるため、年金事務所での確認が必要です。


寡婦年金

寡婦年金は、亡くなった方が国民年金の第1号被保険者であった場合に支給される年金です。主に、亡くなった方の配偶者である妻が対象となります。

対象者

  • 亡くなった方が10年以上国民年金に加入していたこと
  • 妻が婚姻関係を継続していたこと
  • 妻が60歳以上であること

支給額

寡婦年金の金額は、亡くなった方が受け取るはずであった老齢基礎年金の4分の3です。支給期間は、妻が60歳から65歳になるまでの間です。


遺族年金の申請手続き

遺族年金は、申請しないと受給することができません。以下に手続きの流れを説明します。

必要書類

  • 亡くなった方の住民票の除票または戸籍謄本
  • 遺族の戸籍謄本
  • 受給権者の住民票
  • 亡くなった方の年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 銀行口座の通帳
  • その他、年金事務所が求める書類

申請場所

最寄りの年金事務所または市区町村役場で申請手続きを行います。申請書類を不備なく準備し、提出することが重要です。

申請期限

遺族年金の申請には期限があり、原則として亡くなった日から5年以内に申請を行う必要があります。この期限を過ぎると、受給資格を失う可能性があります。


遺族年金と収入制限

遺族年金には一定の収入制限があります。例えば、遺族厚生年金を受給する場合、年収850万円(所得金額655万5,000円)以上の収入がある場合は支給対象外となることがあります。ただし、具体的な基準は状況によって異なるため、詳しくは年金事務所で確認してください。


遺族年金の注意点

併給調整

遺族年金は、他の年金と併給される場合に調整が行われることがあります。たとえば、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給している場合、一部の年金額が減額される可能性があります。

国際年金協定

国外で暮らしている場合、または外国籍の配偶者がいる場合でも、遺族年金を受け取ることができる場合があります。日本が締結している国際年金協定に基づき、一定の条件を満たせば受給可能です。

遺族年金の税金

遺族年金は非課税所得として扱われます。そのため、所得税や住民税の課税対象にはなりません。


遺族年金のまとめ

遺族年金は、遺族の生活を支えるために非常に重要な制度です。遺族基礎年金や遺族厚生年金、寡婦年金など、それぞれの年金の支給要件や金額、申請手続きについて正確に理解しておくことが大切です。また、年金の受給には期限があり、併給調整や収入制限などの注意点もあります。詳細な情報や個別の相談については、最寄りの年金事務所や専門家に相談することをおすすめします。